story

カナメを代表する施工事例の 1 つである、浅草寺の瓦葺き替えプロジェクト。

営業 3 名、開発 5 名が関わったこのプロジェクトは業界を驚かせ、

東日本大震災では瓦 1 枚も落下させない安全性をも証明することができました。

業界の常識を覆したチタン本瓦の開発から、営業活動の裏側、カナメが目指す今後の未来について、

当社を牽引する事業部長の 2 人に話を聞いてみました。

profile
  • 鈴木和浩(すずきかずひろ)ルーフシステム事業部事業部長

    鈴木 和浩(すずき かずひろ)

    ルーフシステム事業部事業部長

    1992 年 4 月入社

    現在は那須工場と喜多方工場の2つの工場を管理し、新製品開発にも携わる。新製品開発部ではカナメの製品開発や様々な性能試験の実施、他社との共同開発も活発に行っている。

  • 星俊一郎(ほししゅんいちろう)寺社事業部寺社部事業所長

    星 俊一郎(ほし しゅんいちろう)

    寺社事業部寺社部事業所長

    2004 年 12 月入社

    関東、山梨、新潟、長野、福島を対象に営業活動を行う寺社事業部の責任者。後輩を育成しながらエリア内のお寺や神社からのお問い合わせに対応。1軒1軒とのお付き合いを大事にしながら、新規のお客様の開拓も行っている。

chapter
  • 01

    カナメの命運をかけた

    「Tプロジェクト」が

    浅草寺のオファーにより本格始動。

  • 02

    宝蔵門、本堂、五重塔の

    施工を次々と受注。

    信頼の根源は、

    「顧客の要望を叶える」体制。

  • 03

    積み重ねた信頼が、知名度の高さ。

    鍛えられた発想力で、

    目線は次の時代へ。

chapter01
カナメの命運をかけた「Tプロジェクト」が浅草寺のオファーにより本格始動。
カナメの命運をかけた「Tプロジェクト」が浅草寺のオファーにより本格始動。

どのように浅草寺さんの案件をいただいたのでしょうか。

星:カナメがお送りしたダイレクトメールに浅草寺さんの担当の方から返信をいただきました。当時はまだチタンを使った屋根の営業を始めたばかりのタイミングで、びっくりしましたね。あの有名な浅草寺から連絡が来た、絶対仕事を頂きたい!と思いました。

鈴木:実は、浅草寺さんに声をかける前から社内に「Tプロジェクト」というものがあったんです。チタンを使用した屋根を何とか製品化できないかというところから開発がはじまり、当時はまだ未完成の段階でした。

星:この時のお寺さんの窓口の方がたまたま理工系出身の方で、技術開発に時間がかかることをご理解いただけました。この方に「今できてないとしても、 1 年あればできるでしょう」という言葉をいただいたのが、案件の始まりです。

Tプロジェクトに関しては、カナメの経営陣が「これからはチタンだ」と考えていたんです。チタン製品は、耐久性が優れていて重量も軽く、また他の金属と違ってデザイン的にも瓦に近づけて造れるのではないかと考えていました。金属屋根を売る会社として、チタンに力を入れようとしていたんですね。

お問い合わせがあった後はどのように進行したのですか?

星:すぐにご挨拶にお伺いして、チタンとはどういう素材か、どういう製品かというご説明をさせていただきました。また、実績として「各宗派の本山、大本山で施工しています」とお伝えしたところ、「これだけやってるなら安心だね」とおっしゃっていただきました。当時チタンを扱っているのはうちだけだったと思います、相見積もりも取らずに決めていただきましたね。今も、カナメと同等レベルのチタンを扱えるライバルはいないと考えています。

chapter02
宝蔵門、本堂、五重塔の施工を次々と受注。信頼の根源は、「顧客の要望を叶える」体制。
宝蔵門、本堂、五重塔の施工を次々と受注。信頼の根源は、「顧客の要望を叶える」体制。

現時点で、浅草寺さんではどの建物を施工しているのでしょうか?

星:宝蔵門、本堂、五重塔を施工しています。それから薬師堂、裏門、浅草公会堂の近くの門、鎮護堂です。全体工事以外にも補修をしている箇所もあります。トイレ 2 ヶ所のうち、 1 つはカナメルーフと杮葺を使用しているんですよ。最初に受注した宝蔵門は、納品まで 3 年近くかかりました。本堂は 2010 年の 12 月頃に完成したので、今思うと本当に震災の直前でした。

チタン本瓦を造る際、開発中はどのようなことがありましたか?

鈴木:銅板は柔らかいので現場でも加工ができますが、チタンは現場で調整しようとしてもなかなかできないんです。工場で作ったものを現場で組み立てるイメージをしながら、「瓦のデザイン」と「施工方法」を両立していくのが大変でした。最終的には、会議中にアイデアがポンと出たんです。開発の人間って、課題が常に頭の中にあって、常に考えているっていう感覚があると思います。関係ない物を見て、ひらめいたりすることってみんなあるんじゃないかな。

星:普通瓦って経年変化で色に濃淡が出るものなんですけど、チタンの場合は施工から時間が経っても色がそのまま変化しません。それならはじめから変化をつけようというお寺さんからのご意見があり、その時にはいぶし瓦風の色を 2 色使ったんです。本堂では 3 色使いました。

デザイン性の点でも工夫があったのですね。営業の場で感じるカナメの強みはなんでしょうか?

星:一つひとつのご要望に誠意を持って対応することではないでしょうか。あとは、どんな要望にも総力戦で応えられることでしょう。開発をしているし、製造も、営業も、現場管理も、設計もしています。カナメに任せれば安心だと感じていただけるのではないでしょうか。

chapter03
積み重ねた信頼が、知名度の高さ。鍛えられた発想力で、目線は次の時代へ。
積み重ねた信頼が、知名度の高さ。鍛えられた発想力で、目線は次の時代へ。

寺社事業部で、カナメらしさを感じるのはどんなところですか?

星:やはり、知名度です。お寺や神社の方で、カナメを知らない方はほとんどいません。このように認められているというのは、今まで社員や経営者がきちんと仕事をしてきたということなんだろうなと思います。

カナメは業界最先端の開発実績も多いですが、開発部の育成方法には何か秘密があるのでしょうか?

鈴木:カナメでは一人の開発者が複数のプロジェクトを並行して担当しています。もちろん大変な面もありますが、 いくつもの課題を抱えることで確実に発想が鍛えられます。うちではいろんな会社と共同開発もやっていますが、共同開発もカナメの名前で声をかけていただけることがあるので、やはり知名度の高さは感じますね。

色々な話をお聞きしましたが、お二人が一番やりがいに思える部分はなんですか?

鈴木:今でも工場全体を見つつ開発の仕事をしているのですが、正直に言うと利益がどうより、開発の仕事が楽しいですね(笑)。自分の考えたものが製品化されて世の中に使われていくのは嬉しいですし、特許に名前が載るのも、大きなモチベーションになります。

星:わたしはやっぱり受注ですよね。この業界だと紹介やリピートが一番大切で、喜んでいただかないと次に続かないんです。ずっとお寺をお守りするという気持ちでお仕事をいただいています。お寺や神社に携わり、チタンという 1000 年朽ちない素材で半永久的に残る仕事をしているというのも大きなやりがいです。

最後に、これからの製品開発については、どのようにお考えですか?

鈴木:カナメは環境問題や社会問題(SDGs)に対して関心の高い会社です。それらの問題を解決できるような製品を生み出し、世の中を変えようとしています。チタン本瓦もそのうちの 1 つです。これからもわたしたちのアイデアと技術で、世の中のためになる製品を作り続けていきたいと思います。

ありがとうございました!今後も新たな挑戦が楽しみです!

message
  • 裁量があるというのは、自由でもあり自己管理が必要という意味でもあります。

    そういう部分を楽しめるという人にはとても相性が良い会社です。
    お待ちしています。

  • 鈴木

    自分の好きなことをよく考えてその道に進むと、良い人生になると感じます。

    就職活動、がんばってください。